
静岡県は富士山をはじめとする豊かな自然に恵まれた地域ですが、同時に注目すべき現代建築も数多く存在します。本記事では、静岡県を代表する5つの現代建築をご紹介します。
静岡県コンベンションアーツセンター「グランシップ」

静岡市の清水港に面して建つ「グランシップ」は、世界的建築家・磯崎新氏が設計した複合文化施設です。その名の通り、外観は大型船舶をイメージしたダイナミックなデザインが特徴的です。
コンサートホールや会議場、展示ギャラリーなどを備えた施設で、静岡県の文化・芸術活動の中心的な役割を担っています。港という立地を活かした船のフォルムは、訪れる人々に強い印象を与える建築です。
【静岡県コンベンションアーツセンター「グランシップ」公式サイト】
https://www.granship.or.jp/
日本平夢テラス

静岡市の日本平山頂に位置する「日本平夢テラス」は、八角形の平面形状が特徴的な展望施設です。この八角形は、奈良の法隆寺にある夢殿から着想を得たものと言われています。
富士山や駿河湾、清水港などを一望できる絶景スポットでありながら、建築そのものも見応えがあります。比較的コンパクトな施設のため、短時間で見て回ることができ、観光の立ち寄りスポットとしても人気です。
【日本平夢テラス公式サイト】
https://nihondaira-yume-terrace.jp/
富士山世界遺産センター

世界的建築家・坂茂氏が設計した「富士山世界遺産センター」は、静岡市清水区にある富士山の情報発信拠点です。この建築の最大の特徴は、建物前の水盤に映る姿が「逆さ富士」を表現している点です。
外観の美しさだけでなく、内部空間にも工夫が凝らされています。建物内部には螺旋状のスロープが設けられており、登りながら展示を見学することで、富士登山を疑似体験できるコンセプトになっています。
建築デザインと展示内容が一体となった空間構成は、訪れる人々に富士山への理解を深める体験を提供しています。
【静岡県富士山世界遺産センター公式サイト】
https://mtfuji-whc.jp/
とらや工房 御殿場店
建築家・内藤廣氏が設計した「とらや工房 御殿場店」は、老舗和菓子店「とらや」の工房併設店舗です。御殿場の豊かな森林の中に位置し、自然との調和を大切にした建築となっています。
森を散策しながらアプローチし、工房を見学できる動線が設けられています。店舗には庭に面した半屋外空間があり、四季折々の自然を感じながら和菓子を味わうことができる、贅沢な空間です。
建築が自然環境と調和し、訪れる人々にゆったりとした時間を提供する好例と言えるでしょう。
【とらや工房 御殿場店公式サイト】
https://www.toraya-group.co.jp/toraya/shops/detail/?id=14
U.M.I(海)
サポートデザイン設計による「UMI(海)」は、焼津市の海岸沿いに建てられた商業施設です。この施設は、東日本大震災以降、津波への警戒が高まる中で、あえて海沿いに人を呼び込むという挑戦的なプロジェクトとして注目されました。
施設のコンセプトは明確で、大人向けの落ち着いた空間づくりを重視しています。小学生以下の入場制限や、購買意欲のない方の入店を遠慮する旨の表示があり、質の高い時間を過ごしたい大人のための空間として設計されています。
海という立地のリスクと魅力の両面を考慮しながら、特定のターゲットに向けた明確なコンセプトを持つ建築として興味深い事例です。
【UMI(海)公式サイト】
https://www.selecteye.co.jp/umi/
おわりに
静岡県の現代建築は、それぞれが立地の特性や目的に応じた独自のアプローチを示しています。磯崎新氏や坂茂氏、内藤廣氏といった著名建築家による作品から、地域に根ざした設計事務所の作品まで、多様な建築が存在します。
これらの建築に共通するのは、単に必要な機能を満たすだけでなく、訪れる人々に特別な体験や空間の質を提供しようとしている点です。自然との調和、地域性の表現、明確なコンセプトの提示など、それぞれが素晴らしい観点を持っています。
静岡県を訪れる機会があれば、ぜひこれらの建築にも足を運んでみてはいかがでしょうか。