工事監理のデジタル化

 

長野県で進む情報共有システムの導入

2025年現在、当事務所が監理を担当しているプロジェクトの工事では、
アイサス社の情報共有システムを導入しています。
これは長野県内では数年前から導入が進められているシステムで、公共工事の効率的な情報管理を目的としています。

通常、施工者が費用を負担し、民間のシステム会社と契約して運用します。
発注者・施工者・監理者の三者間で情報をリアルタイムに共有できるのが特徴です。

 

システムの概要と主な機能

クラウド上で完結する情報共有

この情報共有システムはクラウド型で、ソフトウェアのインストールを必要とせず、
ブラウザ上で簡単に操作ができます。
ファイル容量は最大1GBまで対応しており、図面や承諾図、打合せ簿など
大容量データの共有にも適しています。
使用料は月額およそ1万円と、比較的低コストで運用可能です。

 

ペーパーレス化と業務効率の向上

書類の提出、承認、決裁などがすべてオンラインで完結するため、
紙での整理や郵送が不要になりました。
電子押印にも対応しており、決裁までの時間が大幅に短縮されています。
発議や承諾、図面チェックなど、これまで郵送やメールで行っていた工程が、
クラウド上で同時に確認・承認できるようになっています。

 

監理者視点でのメリット

連絡・承諾のスピードアップ

従来は、メールを複数人に送信し、電話で既読確認を行うなど、
手間のかかる作業が必要でした。
この情報共有システムでは既読・未読の確認機能が備わっており、
無駄な確認作業を省けます。
監理者や発注者から施工者への軽微な連絡も、
チャット機能や回覧板機能を使って迅速に共有できます。

 

承諾手続きのオンライン化

施工図のチェックや承諾もオンラインで直接決裁が可能です。
修正・差戻し・修正指示なども同画面で行え、
施設課と監理者が同時に書類を確認できるため、やり取りの重複が解消されました。
結果として、承諾までのリードタイムが短縮され、
工事着工までのスピードアップにもつながっています。

 

導入事例と今後の展望

アイサス(Aisis)システムの普及

今回取り上げた情報共有システムは、アイサス株式会社の「アイサス(Aisis)」という情報共有プラットフォームでした。
同様のシステムを扱う会社はいくつかありますが、国内ではアイサスのシェアが高く、
国土交通省や長野県庁、長野市、駒ヶ根市など多くの自治体で採用されています。
近年では民間工事でも導入が進んでおり、
今後、民間の工事監理案件でも積極的に活用できると考えられます。

 

コミュニケーションとの両立

もちろん、現場では施工者と直接対面し、コミュニケーションを取りながら
進めることが基本です。
ただし、情報共有ツールを適切に活用することで、業務の透明性と効率を
両立できると感じています。
本ブログ筆者も、実際にこのシステムを使ってみて、
監理業務の精度とスピードが明らかに向上していることを実感しました。

 

まとめ

情報共有システムの導入は、業務効率化にとどまらず、
「協働」のあり方を変える大きな一歩となります。
デジタルツールを正しく取り入れることで、現場と設計・監理の連携はよりスムーズになり、品質と安全性の向上につながります。
今後もこうした技術を活かしながら、より良い建築づくりに貢献していきたいと考えています。

参考:アイサス公式サイトはこちら

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