
ブログ筆者は、5月の連休中に長野県の安曇野市美術館で開催された「日展」を鑑賞してきました。今回は、日展の歴史や概要にも触れながら、鑑賞の様子をご紹介します。
目次
日展とは:日本最大規模の総合美術展
日展(にってん)は、正式名称を「日本美術展覧会」といい、1907年(明治40年)に創設された、国内最大規模の総合美術展覧会です。日本最高峰の美術展の一つとして知られ、毎年多くの美術ファンが訪れています。
主催は公益社団法人日展。東京都で毎年秋に本展が開催されるほか、全国の地方都市を巡回する巡回展も開催されており、より多くの人が優れた美術作品に触れられる機会が提供されています。
日展の歴史:文展から続く伝統
日展の歴史は、明治時代にさかのぼります。江戸時代の長い鎖国の後、国を開いて欧米との交流が始まると、日本は産業の育成とともに、芸術文化のレベルアップの必要性を感じていました。
日本初の官営美術展「文展」の誕生
1907年(明治40年)、日本で最初の官営美術展覧会「文部省美術展覧会」(通称「文展」)が開催されました。当時、日本画と洋画、それぞれの流派によっても対立のあった日本の美術界に、共通の場を設けることを目的とした画期的な取り組みでした。
当時の文部大臣・牧野伸顕は、オーストリア公使時代から日本の美術の水準を高めたいという夢を抱いており、その実現として文展が開催されました。
改称と発展の歴史
文展はその後、時代とともに名称を変えていきます。
- 1907年〜:文部省美術展覧会(文展)
- 1919年〜:帝国美術院美術展覧会(帝展)
- 1937年〜:新文展
- 1946年〜:日本美術展覧会(日展)
第二次世界大戦により一時中断を余儀なくされましたが、1946年に日展として復興。1958年(昭和33年)以降は社団法人組織となり、2012年からは公益社団法人として運営されています。政府主催の官展から民間団体へと形を変えながら、日本の美術界の中核として発展を続けてきました。
5つの分野で構成される総合美術展
日展は、以下の5つの分野で構成される、世界でも類を見ない総合美術展です。
- 日本画
- 洋画
- 彫刻
- 工芸美術
- 書
安曇野市美術館での鑑賞体験

ブログ筆者が訪れたのは、長野県の安曇野市美術館で開催された巡回展です。今回訪れたきっかけの一つは、弊社がお世話になっている小川原塗装の会長の作品が出展・入選されたと聞き、ぜひ拝見したいと思ったことでした。
1階と2階の展示室、そして廊下にも数多くの作品が展示されており、見応えのある内容でした。展示されていたのは、日展の受賞者や入選者の作品が中心です。日本画、洋画、彫刻、工芸美術、書と、多様な分野の作品を一度に鑑賞できるのは、総合美術展ならではの魅力です。
特に日本画や洋画は大きく、幅2メートル、高さ2.5メートルほどの作品もあり、間近で見るとその迫力に圧倒されました。細部まで描き込まれた筆致や色彩の重なりは、写真では伝わらない生の迫力があります。
鑑賞後の楽しみ
連休中ということもあり来場者は多かったのですが、比較的ゆっくりと鑑賞することができました。地方の巡回展ならではの、落ち着いた雰囲気の中で作品と向き合える時間は、都市部の展覧会にはない魅力です。
出口付近にあったショップでは、気に入った作品の絵葉書を購入して持ち帰りました。お気に入りの作品を、日々の暮らしの中で改めて眺めることができるのは嬉しいものです。
おわりに
日展は、1907年の創設から100年以上の歴史を持つ、日本を代表する美術展です。日本画、洋画、彫刻、工芸美術、書という5つの分野の優れた作品を一度に鑑賞できる貴重な機会です。
芸術に触れる時間は、日々の忙しさの中で心を豊かにしてくれる大切なひとときです。全国各地で巡回展が開催されているので、機会があればぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
【参考】
公益社団法人日展 公式サイト
https://nitten.or.jp/
安曇野市美術館 日展巡回展ページ
https://nitten.or.jp/traveling_exhibition/1057359