今日は 住宅、非住宅についての最近の価格の推移を見て、その後、今後の私の予測をお話していきます。
データは新聞等で独自に調べたものを参照しています。

 

住宅価格の推移

現状分析

まず住宅について。
現在2023年6月時点で、国内の集成材が2023年4月時点に比べ1割ほど安くなっています。
(※集成材とは、複数の板を結合させた人工の木材のことです。)

2021年から、アメリカでの需要の高まりやコロナ禍のバランス崩壊などが原因でウッド ショックが始まり、集成材の値段も大幅に上昇しました。そして2022年の1月にはウクライナ戦争が始まり、値段は上昇したまま横ばいとなります。
この時点で、日本の住宅の着工数自体は減っていなかったのですが、商社が急いで集成材の原材料(ラミナ)を買い漁ったという背景があります。
この段階では特にカナダ、オーストラリア産のものの買い占めが起こりました。
価格に関してはこのまましばらく横ばいだったものの、2022年7月くらいから、また状況が変わり始めます。
今度は価格が異常な下がり方をし、1ヶ月にだいたい10%近くも下落し続けたのです。
これは慌てて入れた材料を放出したために、集成材の価格が一気に下がったという状態です。
製造コスト、人件費の上昇などがありましたが、それがあったとしても実際の集成材自体は安くなってきているという現状があります。

なお、国産材については、若干の下がりはあるのですが、これは集成材ほどの減少はないという状態です。

今後の推移予測

この記事の筆者の今後の予測ですが、ヨーロッパの方面から仕入れてる集成材原材料(ラミナ)の値段がまた最近上がり始めた現状を見ると、今後また集成材の価格が上昇し始めるのではないかと考えています。 

 

非住宅価格の推移

現状分析

次に非住宅について。
2023年2月から3月頃、電炉大手の東京製鉄で、鋼材価格の引き上げが2%ほどありました。
そして現状2023年5月から6月は、価格を据え置き、つまりそのまま変化はさせないという状態になっています。

鋼材関係の最近の価格変動からの据え置きの裏には、中国の影響があり、中国からの安価な鋼材の流入が原因と言われています。
中国の経済状況、特に不動産関係について触れておくと、今中国国内での需要が減少しており、中国内で消費できない分が日本にも回ってくるという状況になっています。

ただし、日本の円安がしばらく続いているため、結果として価格はそこまで安くなっているようには見えないというポイントも挙げられます。

 

その他今後の経済と価格の動向予測

今後、おそらく日本国内の全体的な人件費の上昇があるのでは、と筆者は考えています。
現在は、下請けの人件費、特に2次〜5次の下請けでは、人件費を上げるのを踏みとどまってる状況ですが、これが徐々に全て上がってくるのではと考えます。

今までのように1ヶ月から2ヶ月の中で5〜8%上昇ということはないにせよ、半年サイクルで1〜2%の値上がりは十分にあり得ると思っています。
逆にここから下がることはあり得ないと思っています。

また、アルミや銅など、建築に関わる金属に関して、こちらの方は今は下がり始めていますが、人件費、電気関係、製造コストなど他の分野で値上がりしていることを考慮すると、最終的な結果としては、価格は相殺されてしまうように思います。