皆さんは、とある形の屋根やパーツが何度も繰り返されている様式の建築をご覧になったことがありますか?
繰り返しの技法を使うことで、建物に独特な個性が生まれます。
今回は、筆者である私が好きな、建築における「繰り返し」の手法のついて、その面白さを解説していきます。
目次
「繰り返し」の手法が使われている建物コレクション
東京の銀座線渋谷駅の新しい駅舎
写真は、こちら (東京メトロのウェブサイト)を参照ください。
波形の形状が繰り返され、目を引く印象的なデザインです。
駅の機能上、駅舎は建物を長く作る必要があるので、必然的に同じ形状のものが何度も繰り返されることが多いです。
長野県の安曇野ちひろ美術館
写真は、こちら (美術館ウェブサイト)をご参照ください。
建物の屋根に繰り返しの技法が使われています。
「切妻屋根」の形式をとっていますが、もしこれが一つしかなかったら、無機質な屋根の倉庫のように見えてしまうでしょう。それが5つほど繰り返し同じ形の屋根を連続して繰り返すことによって、全体として見たときに面白みのある風景として出来上がっています。
繰り返し屋根が、周りの景色とよく溶け込んでいるところも美しさのポイントです。
街並みの中での「繰り返し」
商業施設・ミナカ小田原
こちらは最近できた商業施設で、蔵城の建物がいくつも繰り返されており、和風の美しい景色を作り出しています。大きなビルの前面に小さな和風の蔵を繰り返すという点においてもユニークなつくりです。
写真は、こちら(ミナカ小田原ウェブサイト)をご参照ください。
海外の例・イタリア
ヴェネツィアのブラーノ島では、建物の外観はよく似たものが連続しているが色がカラフル、という事例もあります。
スタイルが統一されているので色々な色がありカラフルであっても、どことなく統一感のある街並みです。
残念ながらこのタイプは日本では受け入れられないでしょうが、事例としては面白いですね。
海外の例・ギリシャの外観の統一
こちらギリシャのサントリーニ島では、白という「色」で繰り返しがなされています。
同じ色の建物が連続し、その連続により街並みが完成しているので、統一感があって大変美しいですね。
他の国でも、ヨーロッパは屋根瓦の色が同じという例も多々見られます。
こういった色の統一と繰り返しも、街並みの美しさの秘密と言えるでしょう。
伊藤建築設計事務所が手がけた建物と「繰り返し」のデザイン
ここでは過去に伊藤設計が手がけた建築の中に見られる繰り返しのデザインを紹介していきます。
スパ&リゾート ゆ~ぷる木崎湖 (長野県)
同じ切妻屋根があちこち違う方向を向いているところに面白みのある建物です。
建物の詳細をご覧になりたい場合は こちら(弊社サイト内公共事業施設設計ページ) をご覧ください。
池田町 総合福祉センター(長野県)
こちらは同じ切妻屋根が同じ方向を向いて並んでいることですっきりとした印象になっています。
建物の詳細をご覧になりたい場合は こちら(弊社サイト内公医療福祉施設設計ページ) をご覧ください。
以上、いかがでしたか。
今回は建築における繰り返しの手法の面白さについてでした。