学士会館とは 学士会館とは、東京都千代田区の神保町古書店街や皇居からもほど近い都内の一等地に佇む、クラシカルな建物です。 (学士会館公式ホームページ:https://www.gakushikaikan.co.jp/) この建物は2003年1月に国の登録有形文化財になっています。 以前から近くを通りかかるたびに心惹かれてはいたものの、なかなか立ち寄る機会がありませんでした。最近、2024年冬に一度閉館し、老朽化による全館改修と再開発が行われることを知り、その前にぜひ見ておきたいと思い、足を運んでみることにしました。 学士会館の歴史 学士会館はもともと「学士会」という旧帝大出身者の組織が交流の場として建てた会館です。 1913年、西洋風木造二階建ての建物が建てられましたが、これは火事により焼失。 その後も関東大震災による着工延期や、仮の会館の火事による消失などを経て、1928年に現在の建物が建設されました。 建物は関東大震災の震災復興建築として、高橋貞太郎氏の設計により、当時では珍しい耐震耐火のSRC造で建てられました。 長い間風雨に耐えてきたであろうスクラッチタイル貼りの外観は、格式のある老舗感を漂わせていて非常に魅力的です。 この建物は、戦後にはGHQの高級将校用宿舎として使用されていたそうです。 訪問記録 建物の周りを写真を撮りながら散歩していると、同じようにカメラを持って歩き回っている人や建物を背景に記念撮影している人を何人も見かけました。その多くが外国の方だったので、建築物の魅力は万国共通なのだと感じました。 建築物としてのすばらしさは言うまでもないので、建築好きな方には訪問をお勧めします。 また、この建築の素晴らしさをを120%味わうためには、しっかりと時間と心の余裕を持つこともぜひ意識してみていただきたいと思います。 建物内にはカフェ&バーなどもあるので、格式高い建物の喫茶室でコーヒーを飲みながら、非日常の豊かな時間を堪能するのも楽しみ方の一つです。 建築的特徴の忘備録 ここでは訪問時に撮った写真とともに、学士会館の建築的特徴を見ていきます。 [ap_column_wrap][ap_column span=”10″][/ap_column] [ap_co
「名建築で昼食を」東京編ロケ地の建築
テレビドラマ「名建築で昼食を」をご存知ですか? 皆さんは「名建築で昼食を」というテレビドラマをご存知でしょうか。 (番組公式ページ:https://www.tv-osaka.co.jp/meikenchiku202008/) 物語はカフェ開業を夢見ているOLが建築巡りを趣味とする中年の建築模型士とSNSで出会うところから始まります。 この作品は、甲斐 みのりの「歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ」という本が原作のドラマです。 主人公2人の掛け合いはもちろんのこと、舞台となる数々の名建築からも目が離せません。 (書籍「歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ」: https://www.xknowledge.co.jp/book/9784767824789) 毎回名建築を巡りながら、その建物で昼食をいただくというのが大きな魅力です。 以下では、ドラマ・東京編に登場するロケ地に触れていきたいと思います。 ロケ地1 : 自由学園明日館 一つ目のロケ地は、「自由学園明日館」です。 明日館は東京都豊島区西池袋にあり、1921年(大正10年)に女学校として設立された建物です。帝国ホテルの設計で来日していた近代建築の巨匠フランクロイド・ライトとその助手の遠藤 新により設計されました。 1997年に国の重要文化財として登録されています 。 特徴的なのは水平に広がる直線が美しいプレイリーハウスです。プレイリーハウスはアメリカの大草原によく似合う建築形態で、草原住宅と呼ばれています。 ライト式建築では水平線を積極的に取り入れることにより、建築と自然との融合・調和を図ったと言われています。 ※写真をクリックすると公式ホームページへ飛びます。 建物全体の意匠は幾何学模様にまとめられており、ホールの窓には高価なステンドグラスを使用する代わりに、木製の窓枠や桟を幾何学的に配して工費を低く抑え、かつユニークな空間構成が実現されています。(公式ホームページより引用) また、ライトは内外の空間の連続性、建築と家具のデザインの統一性をも目指していたと言われています。 自由学園明日館の中にも、六角形の建物には 六角形の家具というように統一性が見られます。 これらの家具は、修復をしながら今でも使われています。 別の特徴としては、学校建築には珍しく食堂