今回は、今から38年前、私が学生だった時に
卒業課題で計画した建物「ホテル有栖川」
をご紹介します。
建設予定地を東京有栖川宮記念公園に設定し、毎日忙しい人が自分時間をゆっくり過ごせるホテルを計画しました。
以下はロッドリングとスクリーントーンで苦戦しながら製図をした卒業課題の図面です。
【建設予定地】
東京麻布にある広大な公園、有栖川宮記念公園の一画、緑の林に囲まれ、朝には鳥のさえずりを聞きながら目覚めることが出来る所です。
【外観と階の構成】
アプローチを進むと見えてくる外観はRC造4階建のL型外観、仕上げは50角のタイル貼。
1階玄関へ入るとこじんまりしたフロントがお客様を迎えます。あくまでも個人空間的な広さを意識したインテリアをイメージしました。
階の構成は1階がパーティールームとレストラン、2階から4階がシングルルーム、ダブルルーム、スイートルームです。
【コンセプト:くつろぎ】
部屋のコンセプトは「くつろぎ」です。忙しい人達が、自分時間を作りリラックスしながら、心身ともにリセット出来る部屋を考えて計画しました。
特長は部屋の中にあるお風呂で、寝湯スタイルの浴槽になっています。
寝ながら浅い湯につかるので関節や筋肉への負担も軽く、血液がより末梢の血管まで無理なく行き渡ることができます。 ストレス解消、疲労回復に最適の入浴法です。
当時はそこまで分かっていませんでしたが、かけ流しの温泉で横になって見ればその効果は誰でも感じる事ができます。
【おわりに】
当時はどうしたら寛ぎの時間を過ごせる空間が出来るのか、随分考えた事を思い出します。
あれから38年間、建築の設計に携わってきましたが、「いい建物とは何なのか」は未だに答えが出ないままだし、考えている時の感覚は当時のままのような気がします。
あと何年この仕事を続けることが出来るか分かりませんが、最後まで新鮮な志は貫きたいものです。