
ブログ筆者は少し前に、東信地域への用事の帰り道に上田市に立ち寄り、久しぶりに上田城跡公園を訪れました。ここは歴史好きの人なら一度は訪れてみたいと思う人気のスポットで、この日も多くの観光客でにぎわっていました。今回は、公園内の散策で見つけた興味深い復元計画についてご紹介します。
目次
上田城跡公園の見どころ
上田城については、真田幸村ゆかりの城として多くの方がご存じかと思います。松本城のような高層の天守はありませんが、見どころは数多くあります。

眞田神社
合格祈願の絵馬が境内にたくさん並んでいる眞田神社は、受験生に人気のスポットです。真田氏にあやかり、「落ちない」「勝つ」といった縁起から多くの参拝者が訪れます。

東虎口櫓門と南北の櫓
過去の写真をもとに復元された東虎口櫓門(ひがしこぐちやぐらもん)と南北の櫓は、上田城のシンボル的存在です。江戸時代の城郭建築の姿を今に伝えています。

西櫓の展望台
西櫓(にしやぐら)の展望台からは、北陸新幹線が間近に望める景色のよい眺望が楽しめます。歴史的建造物と現代の交通インフラが共存する、興味深い景観です。


市立博物館
上田市立博物館では、上田城や真田氏に関する資料が展示されており、歴史をより深く知ることができます。これらの見どころを巡りながら、楽しく散策することができます。

二の丸のお堀跡:けやき並木の遊歩道
訪問時は紅葉シーズンの終わりかけでしたが、けやき並木の遊歩道となっている二の丸のお堀跡も散策しました。落ち着いた雰囲気の遊歩道ですが、この通りにはかつて「上田丸子電鉄」という電車が走っていたそうです。

単線で営業していた頃の様子が写真に残されており、駅があった場所にはプラットホームの跡も残っています。しかし、何も言われなければ、ここに電車が走っていたとは想像できないほど、自然に溶け込んだ遊歩道になっていました。

「武者溜り」復元計画
公園内を散策していると、「本丸櫓と武者溜りの復元」と書かれた看板をところどころで見かけました。

「武者溜り」とは
「武者溜り」とは、城を守る兵士が一時的に待機し、石垣やお堀を配置して敵兵を迎え撃った場所です。資料によると、旧市民会館のあたりに築かれていたようです。
復元イメージによれば、複数の石垣や三十間堀という長方形の堀、複雑に入りくんだ迷路のような通路、そして出陣前の兵士が待機していた広場で構成されています。

旧市民会館の解体と復元整備
「武者溜り」があったとされる場所には、長年地域の人々に親しまれてきた旧市民会館がありましたが、訪問時にはちょうど解体工事が行われていました。
仮囲いの前には工事看板と並んで、武者溜り復元のPR看板がありました。大きな垂れ幕には、「武者溜り」も含めて、上田城の東側を今後重点的に復元整備していきたいという上田市の方針が示されていました。

総額500万円の懸賞金
「武者溜り」やその他の櫓を復元するための資料が不足しているようで、上田市は総額500万円の懸賞金を掲げて、櫓や「武者溜り」の様子が分かる当時の写真や設計図、古文書などを募集しています。
江戸時代の幕末頃の写真が最も有力な手掛かりになるそうです。文化庁の復元許可を得るには、その根拠となる資料が必要であり、復元が容易ではないことがうかがえました。

おわりに
復元整備の実現はなかなか大変そうですが、完成すれば上田城の文化的価値や観光資源としての魅力が一段と増すことになると思います。
文化財の復元には、確かな資料に基づいた正確性が求められます。懸賞金を掲げてでも資料を集めようとする上田市の姿勢からは、歴史遺産を次世代に正しく伝えようとする真摯な取り組みが感じられました。
「武者溜り」や櫓が復元されたら、ぜひまた訪れて見学してみたいと思います。皆さんも上田を訪れる機会があれば、上田城跡公園の散策をお楽しみください。